当店定番商品となっている「Champion」スウェット。 その中でも海外買い付けの「カレッジスウェット」と共に入荷の度に完売を繰り返す人気商品、「S101プルオーバーパーカー」、「S149クルーネックスウェット」。
大きな特徴となっている「リバースウィーブ」製法はあまりにも有名で、Champion社を世界的に広めた要因の一つとなっていますが、これらのモデルが愛称「BOOK STORE」、「目無し」と呼ばれている事をご存じでしょうか?
カタログにも未掲載で一般流通はされておらず、限られたルートのみで入手可能なこれらのモデル、そもそも「BOOK STORE」、「目無し」とは?こちらではブランドの歴史と、なぜそう呼ばれるようになったかを少しお話したいと思います。
Champion Reverse Weave
What's Book Store...?
❚リバースウィーブ縮み防止の逆転発想
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リバースウィーブ
縮み防止の逆転発想
1919年、ニューヨーク州ロチェスターに拠点を置く「ニッカーボッカー・ニッティング・カンパニー」は第一次世界大戦終戦の翌年に設立されました。創業当初は主にセーターの販売を手がけていました。 |
創業者サイモン・フェインブルームの没後、その息子エイブ&ウィリアム・フェインブルーム兄弟が「チャンピオン・ニッティング・ミルズ社」として1920年に社業を受け継ぐこととなります。当時屋外労働者向けの防寒着として開発されたウール下着がやがて米軍アカデミーに採用され、現在のスウェットシャツの原型となっていきます。 |
この世界的に有名なスポーツウェアカンパニーの歴史に欠かせない瞬間は、設立から15年後の1934年に「リバースウィーブ」製法が生まれたことでした。 スウェットの縦方向への縮みを軽減するため、本来は縦に使われていた生地をあえて横に使用。この編み生地の縦と横を逆にするという意味から「リバースウィーブ」と名付けられます。更に両脇部分にはリブを採用したことで動きやすさを向上。 |
この革新的な製法は1938年に特許を取得し、以来ミリタリーや過酷なフィールドで活躍するアスリート達にも認められる事となります。 そのディテールと抜群の着心地はその後全米のカレッジでも人気を博し、スウェットの代名詞として不動の地位を築くこととなりました。 |
BOOK STORE
大学生協
記念すべき「リバースウィーブ」誕生と同じ1934年、チャンピオンはアメリカの大学生協での販売をスタートします。大学生協はアメリカでは「BOOK STORE」と呼ばれ、その名の通り本来は書店のように本や文房具を取り扱っていましたが、この年よりTシャツ等の販売を開始することとなります。 |
1950年頃にはシンプルでベーシックなアイテムを好む学生たちに大学名をプリントしたChampionのスウェット(カレッジスウェット)が人気を博し、これをきっかけに様々な日用品が扱われるようになっていきます。 |
現在ではアイビーリーグを含んだ全米2500校以上の「BOOK STORE」にてChampionの製品は販売され続け、その愛称としても知られるようになっていったのです。 |
目無し
プリント用無地ボディとCロゴ
これらのスウェットは、カレッジロゴがプリントされた商品を前提としています。そのため胸に刺繍のない無地ボディは、主に企業間の取引(BtoB)に限定され、一般の販売では扱われない仕様となっています。 |
ただでさえ一般流通のない「BOOK STORE」、その中でも本来表舞台に出てこないプリント用の無地ボディはアメカジ、特に古着市場で珍重され「目無し」の愛称で区別化されているのです。 |
独自のルートで米国より輸入している当店取り扱いの「S101プルオーバーパーカー」、「S149クルーネックスウェット」は、アメカジフリークを中心とする洋服好きの間で支持を集めています。 |
ちなみに目玉のように見える「C」のロゴデザインが登場したのは1969年。Championの頭文字「C」をモチーフに、アメリカ国旗と同じネイビー、レッド、ホワイトの3色で構成されています。 |
目玉ロゴが袖に縫い付けられる仕様は80年代に入ってから。ブランドの長い歴史の中では近代に入ってからの仕様ですね。 |
当店取り扱いのモデルはもちろん現行品。古着のビンテージ品のような希少価値はありませんが、こういった歴史に気軽に触れることができるアイテムとして、皆さんの普段のコーディネートにも取り入れていただけたら幸いです。